☆イケメン介護士が行く!☆
老健菜の花・某イケメン介護士の研修報告です!
研修内容・・・全老健主催 平成21年度実施研修プログラム(認知症)
研修日程・・・平成21年5月9日?5月13日
所感
まず、始めに今回研修場所である介護老人保健施設S(以後老健Sと表記)についての説明をするよ。
入所定員124名、通所定員200名 回廊型の造りで個室2人部屋、4人部屋となっているんだ。僕の働いている「菜の花」と同じで、複数のグループに分けてユニットケアを展開していた。
老健Sでは職種による制服はなくて、皆私服にエプロンという服装で介護していた。1階フロアの中には保育所、事務所が入っているが壁などによる仕切りはされていない。保育士や相談員・ケアマネージャー・事務員も食事介助やトイレ誘導に参加している。利用者の方から見て、誰にでも気軽に頼める雰囲気が出ていた。ハード面はユニットケアの造りではないがソフト面(人的環境・意識)などはユニットケアの実践もしていたんだ。
初日の研修は認知症についての講義及び通所リハでの実施研修で、通所リハを利用されている大半の方が認知症を患っていた。しかし、問題行動と呼ばれる周辺症状が出現している方はごく少数だったのだ。では何故、そのような周辺症状が出現せずに自宅とは違う環境に適応しているのか。そこには、利用者個々の生活スタイルが大切にされており、個々が役割を持って来所されていた。老健Sには、犬、ヤギ、鶏が飼われている。犬はアニマルセラピーとしてフロア内に放されていたのは驚きだった。(動物訓練士による教育終了後放される)
犬の散歩やえさやり、保育所にいる子供との交流。アクティビティリハが充実しており様々なニーズに応えているため、認知症高齢者に対し有効なケアが実践できていた。出入り口には施錠されておらず、自由に出入りが可能になっていた。職種に関らず通所リハの利用者に対応しているため、相談員・保育士・事務員などがトイレ誘導や食事介助を行い、見守り時には散歩に行って対応している。人的環境・意識を「個別ケア」というものに変換しているからこそ、ハード面を言い訳にせず個々のニーズに応えることが可能になっていたのだと思う。
2日目・3日目は入所フロアでの実施研修だった。入所フロアにいる利用者の方のうち、ショートステイ利用者は50%を超えていた。研修担当の方に伺うと、在宅支援(在宅復帰)は老健が担う役割の中でもっとも大切であると考えている。それを実践するには通所リハという受け皿を大きくし、ショートステイを組み合わせることで、在宅での生活を可能にしているとの事だ。受け皿である通所リハは朝の7時から夜の8時くらいまで受けている。利用者だけでなく、家族の生活スタイルに合わせてサービスを組み合わせている為に可能になっていた。通所リハ利用の方を例に挙げてみました。
家族送迎で通所リハに通われ、家族は共働きで孫は学生である。夫婦が出勤の際に施設に来所され、夫婦共に仕事終りが18時過ぎるため19時までの利用となっている。その際、朝・昼・夕と施設で食事を摂り、自宅には寝床があるといった感じである。レスパイトとして定期的にショートステイを組み込み在宅での負担軽減を図っていた。
入所フロアは2つのグループに分けられ、入所フロアでは主に畳が広く活用されていた。畳の活用方法は、菜の花と同様である。しかし、畳スペースが広く確保されている為、菜の花よりも有効に活用しており、利用者の方の落ち着きの効果もそれに比例して大きなものになっている様子が見られた。
4日目・5日目は入所フロアにいる認知症利用者の方1名のケアプラン作成を行った。プラン作成の上でもっとも主としたものが、どのようにすれば自宅での生活が可能であるかといった点である。作成する上でまず問題となったのは家族の介護力、そして家族の生活スタイルを崩さずに自宅での生活を可能にするのかといった点である。老健Sの通所には、先にも説明した通り利用時間が広く設定されている。例にも挙げた利用者の方のように早朝から施設に来所し、帰宅するのは20時近くにすることで自宅での生活が可能になった。しかしながら多くの施設は通所リハの時間が短く、本当の家族にニーズに応えているかと問われた場合、Yesと言える施設は多くないはずだ。Sではショートステイ率50%・在宅復帰率90%だそうだ。それを可能にしているのが通所リハにおける200名定員の早朝?夜間の対応といった通所リハの稼働である。老健は大規模多機能であると地域のニーズや家族ニーズに応えられるといった一つの形を示しているのがしょうわであった。
老健Sのリハビリは生活リハに主が置かれている。訓練室で行われる多量少数回のリハビリよりも、生活動作の中で行う少量頻回の方がADLの維持・向上には効果的であるとの考えからだそうだ。PT・OTがフロアに入り、介護士と連携して生活リハを行っている場面が多く見受けられた。また、様々な取り組みをしていたが数が多いため、菜の花でも活用出来うるものを検証してみた。
一つ目は季節湯や創作風呂(薔薇・りんご・ワイン・日本酒・牛乳・ハーブ・レモン・etc)の実施である。ただ清潔を確保する為の入浴ではなく、リラクゼーションの場として活用できるのではないかと思う。二つ目は喫茶店である。老健Sでは職員も含めて喫茶店が無料で利用できる。有料か無料かは検討の余地があるが、菜の花にも4階の配膳室付近のスペースを喫茶にすることも可能かなと思った。喫茶をすることでより自然なコミュニティ形成が可能であり「利用者の方に対しても刺激を与えることができるのではないか?」と思った。また傾眠予防や入所中の孤立を防ぐといった効果も期待できそうだ。
そして、最後に現状の菜の花では実施が困難かもしれないが、老健Sの取り組みで驚いたのは、喫煙、飲酒が原則的にOKだということ。Drからの禁止がない限りはどの利用者の方も自由になっていた。ある利用者の方は眠剤の代わりに晩酌をして、良く休まれているそうだ(エビデンスについては未確定)。それには施設としての基本的な考え方は表れていた。利用者にとって「今」が大切だということ。それは利用者の方には明日は無いかも知れない。今がその方にとっての最後になってしまうかもしれないということだ。今、その方が望めば今それを実現させるのがケアだと老健Sの方は言っていた。飲酒や喫煙には賛否両論あるが、その方の「今」を大切にするといった姿勢・考えは対人援助職者として絶対に不可欠な要素だ。今回の研修でたくさんの取り組みを目の当たりにすることが出来た。ソフト面の環境を整え意識を変えることで、ハード面での問題があったとしても個別ケアは可能であると気付くことができた。研修を通じ、得たことを菜の花に持ち帰り、ケアの質を高めると共に利用者・家族のQOLを向上に結び付けることを目指そうと思う。
ケアを支える人々とは?
自ら療養をする人々の自立を支え、心と身体と生活が健やかであるよう支援する人々のこと。
多職種協働とは?
様々な職種の人々が、連携・協力して、暮らしの場でのケアを行うための理念とインフラを包括した概念のこと。
